G15018 Virtuali-Tee

近年、新しい技術が次々と生まれ話題を呼んでいる「ヴァーチャルリアリティ」。日本語では『仮想現実』、『人工現実感』と訳される。ここ数年でヴァーチャルリアリティの技術は進化を遂げ、メディアで取り上げられることも少なくない。

今回はこのヴァーチャルリアリティの技術を利用したTシャツ、「ヴァーチャリT(Virtuali-Tee)」について取り上げたいと思う。
このTシャツ、一見しただけではポップなプリントが施された普通のTシャツにしか見えない。だが実はこのTシャツ、着用してアプリをダウンロードしたスマートフォンやタブレット、VRヘッドセットを通してみると、まるでその人を透かしたように動く臓器を見ることができるのだ。仮想現実(VR)と拡張現実(AR)の技術を利用して、心臓や肺、腎臓、消化器官などの臓器が3D映像でリアルに映し出される。

 

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開発元のCuriscopeは「Kickstarter」で資金調達を募ったところ、本プロジェクトは2016年4月1日までに7万英ポンド(約1,146万円)の資金調達を目指し、目標金額を達成した。支援には1口22英ポンド(約3600円)が必要で、支援するとヴァーチャリTが配布されるようになっている。商品の配布は2016年8月頃を予定している。

このTシャツはただ透けるだけでなく、角度によっては内蔵が見える位置も変わり、心臓もちゃんとリアルに動くようになっている。それぞれの臓器の名称をポップアップで表示したり、タップしてくわしい動きや解説を見ることができる。学習ツールとしてかなり本格的だ。そして、Tシャツそのもののセンスが良く普段から着たくなるようなデザインになってるのもポイントが高い。さらにハコスコやGoogle Goggleと組み合わせれば、ハンズフリーでコンテンツを楽しむことができる。

ただの面白いTシャツというだけでなく、従来のものよりはるかにリアルに人体を理解できる教材として、今後教育現場での活躍が期待されている。子供も大人も、リアル過ぎてグロテスクとも言える3D映像に釘付けになるだろう。3Dで映し出されるリアルな映像は、これまでの紙に印刷された教材に比べより効果的な学習を可能にすることが予想できる。

このような従来とは違う体感型の教材の登場は、今後の展開に大きな可能性を感じさせる。こういった形の教材は、一般的な教科はもちろん、今回のような現在身近ではない題材について楽しく学べる機会を作ることができる。このプロジェクトには子供達が世界を学ぶ方法を新しく変えていくインパクトがある。VRの技術を利用した体験型の教材が今後広がっていけば、『勉強=退屈、つまらない』という子供達の認識が変わっていくのではないだろうか。何かを学ぶこと、知らないことを知ることは本来なら楽しいことであるはずだ。VRを利用した教材は技術こそ新しいが、学習の本来あるべき姿を取り戻すきっかけとなるのではないだろうか。

Kickstarterの支援サイト(https://www.kickstarter.com/projects/curiscope/virtualitee)

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