Photoshop、Illustrator等のソフトは、
あくまで何かデザインする時、作り出す時に使う、「道具、ツール」にしかすぎない。
自らの脳で、
イメージや設計、予想完成図を組み立てない限り、
また、それらを実際に現実のものとするべく、
自らの手を動かそうとしない限り、
何も作られやしない。
画面の中は、真っ白いまんまなのだ。
しかし、そんな当たり前すぎる常識を、
覆すようなデザイン技法が、既に現在には存在する。
ジェネレーティブデザイン。
generativeとは、「生殖力のある、生成的な」といった意味を持つ単語。
つまり、機械が自発的に、勝手に産み出したデザインなのだ。
人がすることと言えば、
アルゴリズムやプログラムを組み、
ただただ命令する事ぐらいで、
あとは、機械がその命令の条件に沿って形に起こしてくれるのだ。
「Context Free Art」という、
アプリケーションがある。
文脈自由言語を用いたプログラミングをすることによって、
絵を作るアプリケーションである。
このアプリケーションの面白いところは、
一度命令した文章と全く同じの文章を、
もう一度再命令し直すと、
前とは違った絵を表示してくるところなのだ。
ある意味、
人間の脳で考えるよりも、
完璧でオリジナリティのあるものが作り出せるのかもしれない。
しかし、
このような技術が発達していけば、
何かをデザインするのに当たって、
人を必要としなくなるのだろう。
いつしか、
周りを見渡せば、
人が作り出したデザインよりも、
機械が作り出したデザインの方が多い
時代がくるのかもしれない。
そんな世界の中で、
自分は自分の手で生み出す事によって初めて得られる価値のある作品を作る事を、
課題として目指していこうと思う。