G20009 乾巴菜
私が今回、デジタルデザイン論で論文を述べるのは任天堂スイッチのゲームソフト「あつまれどうぶつの森」についてです。初代どうぶつの森が2001年に登場し、どんどん進化を続けています。その勢いは止まることなく、昨年リリースされた最新作で今回のテーマである「あつまれどうぶつの森」は日本だけでなく海外での人気も止まりません。ゲーム機の画像解像度が大幅に上がったということもあって今までとは比にならない画質の良さ、画面に映るすべてのものの再現度が高く私自身初めてプレイしたときはすごく驚いたし、感動しました。
それでは、このゲームの大きな特徴の一つである「自由度の高さ」に焦点を当てて考えてみます。このゲームはとにかく自由で、細かい目標のようなものはあってもゴールや終わりは特にありません。何かを達成したり完成させたりするたびにまた新しいことをしてみたくなるようになっています。
そういったこのゲームの自由なところを生かして実際に利用している企業がありました。例えば、アパレルブランドがゲーム内で洋服を作成し無料で配布できる機能を使って実際に販売している洋服を作り売り上げや、知名度につなげていたりと企業によって様々です。私が初めてこのことを知ったときとても良いアイデアだと思ったし、もし自分が企業側ならうまく利用したいと思いました。この「あつまれどうぶつの森」が広がるにつれてどんどんターゲットは増えることになるので利用する企業が増えるのは当然です。
しかし、2020年11月任天堂は「あつまれどうぶつの森」を利用する企業や団体に対し、ゲーム内での営業・政治活動を控えるよう呼びかける世界共通の規約を設けました。世界で販売するゲームの利用規約は原則、米国や欧州など各現地法人が独自の表現で定めており、世界共通規約は初めてでした。政治家が選挙運動に活用するなど、「あつまれどうぶつの森」の社会的な影響力が広がっている現状に対応しました。新しい規約では企業がゲーム内の利用者をゲーム外の商品購入サイトに誘導したり、クーポンを配布したりするマーケティング活動の抑制も呼びかけました。この規約が出された一番のきっかけになったのは米民主党のジョー・バイデン氏の陣営もこのゲームを選挙活動に活用したことです。ゲーム内で陣営のロゴを看板やTシャツなどに反映できるデザインを無料で公開したり、島にプラカードを立てて支持者拡大に取り組みました。また日本では自民党総裁選に立候補したある人の陣営がゲーム内にアバターを登場させて支持を訴える方針を示しましたが、規約違反を指摘する意見が上がり数日間で利用を断念した経緯があったそうです。従来は政治利用の禁止を明示する規約の対象が日本の利用者のみでしたが、今回この規約を米国も含めた世界共通とした形です。
この規約を知る前はこんなふうに利用したら面白そうだな、企業の売り上げにつながりそうだなといくつか考えてみたりもしましたが、調べていくにつれてだいたいのことをどこかの企業がやっていて、さらに新しいことをしようと思っても上記の規約に引っかかってしまいます。
ボランティア活動などに利用できたら金銭も発生しないし良いのではないかと思ったのですが、規約の中で「企業や団体に対し」といっているので引っかかってしまいます。
以上のことから、私の最終の意見は「ゲームの世界であるのだから現実のことと結びつけないほうが良いのではないか」ということです。この論文を考え始めたときとは180度意見が変わってしまいました。もしかするとまた任天堂が規約の内容を変更したり、なくしたりするかもしれません。なので今現在規約がある以上は個人でゲームを楽しむしかないと思いました。
そしてもう少し時間が経ったら和の教育や日本文化など、馴染みの少ないものに触れる機会をこのゲームを通して外国の方や子供たちに伝えられたら良いなと思いました。