2015年4月10日、スペインのマドリードで面白いものが披露されました。
2015年7月に施行される予定の法案「Citizen Safety Law(市民安全法)」に異議を唱える人々が、自ら“ホログラム”となってデモ行進を行ったのです。
この出来事は米のCNNや欧州のeuronewsなど、複数のメディアで報道されたみたいです。
CNNによると、同法案は様々な抗議活動を禁止するもので、例えば国会の前で抗議活動を行った場合、最大で3万ユーロ(約380万円)の罰金が科せられる可能性があるという、市民が自由に意見を述べるような行為を禁止したような理不尽なものだったみたいです。
今回の抗議デモを主催した団体は、2000人におよぶ世界中の参加者から送られたスキャンデータを基にデモ行進の映像を作成。プロジェクションマッピングを使って、国会議事堂の前に投影したという、その場にいなくても、デモ行進に参加できるというものだったみたいです。主催団体は、「ホログラムを使った仮想的な抗議デモは世界初だ」と主張しているそうです。
仮想のデモ行進は2015年4月10日(現地時間)の夜、約1時間にわたって行われたそうで、CNNは、「誰も逮捕されなかった」と、ニュースを締めくくっていました。
Spain: Hologram rally outside parliament defends right to protest
https://www.youtube.com/watch?v=knHf_QphXyY
このように最新技術は今やデモ活動にまで使われるようになったみたいです。
今回でも利用されたホログラフィ技術は近年さまざまな分野で応用され始めています。
例えば、イスラエルのRealView Imagingは、医師が手のひらに臓器のホログラフィ画像を乗せ、自由に動かしたり触ったりできる技術を開発したり、また、NTTは、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、ホログラフィ技術などを活用して、まるで競技場にいるかのような高い臨場感を味わえるプロジェクションマッピング技術「イマーシブテレプレゼンス技術 Kirari!」の開発を進めているそうです。
イマーシブテレプレゼンス技術 Kirari!デモ映像
https://www.youtube.com/watch?v=O0bFOuB51HQ
よく最新技術は軍事利用のために開発されていたものが民間用に改良されて、さも新しいもののようにふるまわれていると言われていますが、出来ればこうした新たな技術は人の生活を楽しくしてくれるような明るい未来のために使われていくのがいいなと思いました。
用語の意味
ホログラム=ホログラフィの技術を応用した製品のこと。
商品券・ギフト券・クレジットカードの各種金券及び輸出用サプライ品等の偽造防止用途から雑誌・書籍の表紙、パッケージ、プレミアム品の意匠用途まで幅広く利用されている。
ホログラフィ=レーザーを使って物体から反射した光の波形(干渉縞)を感光材に記録し、立体画像として再生する技術のこと。
ホログラムとは
http://www.dnp.co.jp/bf/hologram/about/
ホログラムを使った仮想デモ行進、世界中から2000人が参加
http://eetimes.jp/ee/articles/1504/14/news085.html