アールブリュットというと、精神病の患者の方がつくりだした芸術作品というふうに、
まずはとらえてしまうが、今回はもうすこし幅を広げて、日常生活の中の、アールブリュット作品について考えてみたいと思う。
私が好きな洋服のブランドに、フラボアというお店がある。
そこでは「ダウンズタウン」というプロジェクトが行われている。
これは、ダウン症の人たちが描いた絵をデザインとして、洋服にとりこんだものだ。
私も、独創的な色使いが気に入って、2年連続商品を購入している。
デザイナーのコメントを引用すると、
FRAPBOIS x Down’s Town(ダウンズタウン)
ダウンズタウン プロジェクトとは、ダウン症の人たちの平和な感性を中心とした芸術村、新しい共存の場を創る試みで、長年 彼らの制作を見守ってきたアトリエ・エレマン・プレザンと多くの賛同者たちによって進められているプロジェクトです。
僕は昨年このプロジェクトを知り、強く興味を持ちました。
以前からアウトサイダー・アート(専門的な美術教育を受けなかった人々のアート)が好きだったからです。パウル・クレーやフォービズムの画家たちが好きなのもその延長です、不完全なものに強く惹かれます。不完全と完全は、その立ち位置が違うだけで、本当は同じ意味だと思います。
アトリエを見学にいって、彼らのアートの純粋さに感動しました。
とても無垢で荒々しくもあり繊細でもあり、人間性も含め天使のように感じます。
彼らが作りたいと考えている、ダウンズタウン。
ダウン症の人たちを中心として平和と共存の原理を築き上げる場所、とても素敵な理念です。
とある。
アウトサイダーアートを特別なものとして捉えずに、単純にデザインが好きだから、優れていると思うから手に入れたいと思えるようなプロジェクト。
売り上げの一部は支援になるそうだが、そんなことは気にせず、「カワイイ」から購入に至った私のように、アウトサイダーアートが、生活に溶け込むこのプロジェクトに、
私は好感を抱いている。