BUMP OF CHICKEN feat. HATSUNE MIKU「ray」。2013年3月12日、日本のロックバンドBUMP OF CHICKENと音声合成ソフトである初音ミクがデュエットをした異色のコラボがyoutube にてMVとともに公開された。
このMVでは、BUMP OF CHICKEN と初音ミクが同じ空間に立ち、撮影に挑むという、世界初のリアルタイムでの共演を果たした。このpvのために新たな3DCGモデルの初音ミクを制作、撮影や収録もこのために開発されたものが多く使用されており、新鋭クリエイティブカンパニーA4Aの東市氏による全面プロデュースのもと制作された。(1)(2)
ロックバンドとして若者に人気のBUMP OF CHICKEN史上初となるコラボの相手となったのがボーカロイドという音声合成ソフトである初音ミクなのだが、vcである藤原氏自身オタク文化を理解のある人物だったため、初音ミクというキャラクター、音楽表現に対して深い興味とシンパシーを抱いていたそうだ。そうした面もあり、このコラボが実現したのだがこれには賛否両論の意見が飛び交った。(3)
このコラボを批判的にとらえているものも多く、その要因としては初音ミクに対するものが大きい。初音ミクは今ではオタク文化のコアとして存在していると過言ではないものとなっている。そのためその文化に理解のないものからすると、そういった意見が出てきてしまうのも仕方ないことかもしれない。
そしてここで海外での初音ミクに対する反応を見ていきたいと思う。
ロンドンオリンピック開会式に歌って欲しいアーティストTOP10という人気投票が実際のオリンピック関連ではない非公式のサイトにて行われた。そこで数いるアーティストを抜いて初音ミクがTOPに輝いた。日本人の組織表を疑われたが、実際にはアメリカや英国、中国など世界各地からの投票の結果だったようだ。他にも、レディ・ガガのライブの前座を初音ミクが務めるたり、初音ミクが主役のオペラがパリ・シャトレ座で上演されるなど、日本のオタク文化が世界的に認められつつある。
しかしこういったギャップがうまれてしまったのは最近のことではない。浮世絵の評価など日本以上に海外の評価が高く、海外で評価されたあとに日本でその評価を見直すということも江戸の時代からもあったことだ。
今回のコラボでは同じ歌い手として初音ミクと共演をしているが、楽器として使用するため、無機質な声で淡々と物語を語らせるために、人間のように歌わせるために、とボカロのあり方を個々の持っているものも多くいる。
オタク分野のコアとして成長し、世に知られる存在になった初音ミクだが、特異な分否定的な意見が多い。海外でも受け入れられつつある日本の文化だ。胸を張ってもいいと思う。
URL:http://www.youtube.com/watch?v=yT_ylSCgY6Q