コンピューターは、
人間に豊かさを与える存在の内の一つである事には違いないが、
反面、人間らしさを失わせるようにも思わせる。
一般人だと計算するのに少々時間がかかり、尚且つ答えが絶対に合っているという保証のない、
桁の多い数同士の掛け算も、
コンピュータを使えば、あっという間に答えが出てしまう。
急いで答えを出さないといけない事情があるならば、使った方が良いのかもしれない。
しかし、あまりにも頼りすぎていると
人間自身が元々持つ計算能力を低下させる要因にもなりかねないだろうか。
自分の脳で計算する事を、忘れてしまうのではないだろうか。
人という生き物は、
より「完全」に近ければ近いものに憧れを抱くのだろう。
「楽」であればあるほど、それに頼りたがるのだろう。
確かに、それは悪いことではない。
しかし、「完全」だからといって
「美しい」とも限らないだろう。
「不完全」であるからといって、必ずしも
「美しくない」とは限らないだろう。
漫画を例えにしても、
完璧なデッサン力があっても、魅力的なキャラを描けるとは限らない。
画力が乏しいからと言って、人を惹かすようなキャラが作れないとは限らない。
スーパーコンピューター京を知った事によって、
人が考えずともコンピューターがデザインを考えれるようになる時代が、
いつか来るという絶望を感じた。
しかし、人間の手で作ったモノの中でも、
コンピューターが作ったモノより勝るモノだってあるはずだ。
人間の手で作った、人間の脳で考えた、
「不完全」な美しさを、
私は追求して行きたい。