前期のデジタルデザイン論の授業を通し、レポートの題材として様々なコンテンツに触れてきた。
自分の知らないジャンルについても知り、学んだ。
その中でも振り返ってみて印象に残っているのが「Virtuali-Tee」と「人生で一番大切なもの」についてのレポートだ。
「Virtuali-Tee」はVRとARの技術を利用したTシャツで、TシャツにスマートフォンやVRヘッドセットを向けると臓器や骨といったリアルな身体の中の映像を見ることができるよいうものだ。
Tシャツという誰でも一枚は持っている物とVRを合わせているところに興味を持った。VRを利用したコンテンツでゲームなどではなくこういった形のものはまだあまり多くはない。
VR、というとゲーム分野での活用が真っ先に思い浮かぶが、このVirtuali-TeeのようにARと合わせれば教材や玩具の分野でも活躍できるだろう。感覚的に学んだり、遊んだりするスタイルが実現されるのだ。
新しくて面白い、という点だけで見ればVRに限らずそういったコンテンツは山ほど存在している。だがこういった生活の中に溶け込むような形のものはまだ少ない。私はこういう形のものこそがこれから先需要があるのではないかと考える。日常生活の中に新しいコンテンツが自然に当たり前に存在する、ということがこれからのデジタルデザインの形ではないだろうか。
そしてもうひとつ、「人生で一番大切なもの」のレポートは個人的に思い入れがあるので、自分にとってのデジタルデザインを表現する上で必要不可欠な要素だ。
このレポートでは私の好きなコスメブランドの『MAJOLICA MAJORCA』について取り上げた。このブランドのwebサイトは私がデザインに興味を持ったきっかけであり、今も参考にし続けている。
ブランドができて以来、世界観やブランドイメージをサイト上で展開している。私自身このブランドが好きなのでどうしても偏った視点になってしまうのだが、MAJOLICA MAJORCAのブランドサイトは初めて見た人でもブランドの持つ世界に入り込めるはずだ。自分の持つ世界を多くの人に理解されるようなデザインをできるようになりたい、とこのブランドのサイトを見て思ったのだ。
デジタルデザインとは、移り変わる時代の流れ、最先端の流行や情報を読み取って取り入れ、その中で受け取り手の需要に答えることだと私は考える。
新しくて物珍しいものを作れば初めこそ注目を浴び話題になるかもしれないが、軸がなければすぐに飽きられ忘れられてしまう。逆にずっと同じでも新鮮さや面白みに欠けてそれはそれで飽きられてしまう。
そして、日常の中に溶け込み、違和感を感じさせない、という点も重要だと考える。必要とされなければ意味がない。
私は、新しいものを取り入れて受け取り手を飽きさせず、なおかつ、しっかりと芯があるものを供給できるデザイナーになりたい。欲しい、と思わせるものを作りたい。