G20061『DOOHについて』
これは常夏の国、マレーシアでマクドナルドが実施したキャンペーンの様子を撮った動画である。動画を見ていただくと、あまりの暑さにスクリーン上のサンデーが徐々に溶けているのがわかる。溶けていくサンデーを救う方法はただ一つ。スマートフォンからマクドナルドのキャンペーンのサイトにアクセスし、扇風機を指で回転させることで溶けるのを阻止するという方法だ。ゲームが終わると参加者にはサンデーが無料になるクーポンが届く。すると今度は、クーポンの中のアイスが溶け出してしまうので溶けきる前にマクドナルドに直行してもらい、アイスを食べてもらうという流れになっている。
続いてこちらはネスカフェが上海で行ったコーヒーのプロモーションである。指定された位置に人が立つとゲームが開始される仕組みだ。このゲームはプレーヤーが動くとスクリーン上のコーヒーボトルも連動して動くようになっており、上から落ちてくるコーヒーの水滴をボトルで受け止めるというものだ。時間内にボトルをいっぱいに出来ればゲームクリアとなる。クリアした人にはQRコードが表示され、近くの自販機にコードをかざすと無料でコーヒーがもらえるというシステムだ。
上記に述べた二つの事例はただ商品を宣伝するだけではなく、どちらもユーザーが参加できる体験型として注目を集めた。なにより動画を見ていただくとわかるように、とても楽しそうなのである。ここまで人を笑顔にする広告を見たことがあっただろうか。
これは広告という枠組みを破って、もはや一種のエンターテインメントなのではないかと思う。
今は広告を煩わしく感じ表示させないためにお金を払うということが生じているが、このように人々が楽しめるような体験型の広告が増えれば、遊園地のアトラクションで遊ぶという感覚で私たちが広告のためにお金を払うという日が来るのかもしれない。