私は、バーチャル技術と現実を繋ぐ新たな橋として、ARと交通に注目した。
ここ数年、技術の進歩によって、バーチャル技術といった言葉を耳にするようになった。馴染み深いもので言えば、メタバースやVRなどがある。
しかし私はその中で、AR(拡張現実)に注目した。全てがCGで構成されたVRとは異なり、ARは現実の風景に様々なデジタル情報を重ね合わせたもの。ARデバイスを身に着けることで、その情報を主観的に目にすることができる。言わば現実とデジタルのミックス、ここに私は注目したのだ。
多くの人たちが、スマートフォンの地図アプリを使ったことがあると思う。私もよく使う。その中で、私はあることに気が付いた。都会は建物が多く入り組んでいるため、目的地の順路が分からない。平面な画面一つで表示される地図では、その細かい地形まで把握することは難しい。経験した人も少なくないハズだ。
それに加え交通の面でも、都会の一般道や高速道路は、非常に複雑になっている。そのため、田舎の人は都会で車を運転するのは怖い、行きたくないというという考えを持っている人が多い。私自身も田舎出身のため、そういった声は非常に多く耳にしてきた。
そういった事象や声を、ARは解決できる可能性を秘めている、私はそう考えたのだ。AR技術の最大の利点は、現実の中で、自分自身の視点で様々な情報を目にすることができること。ARデバイスを用いた交通サービスが運用されれば、これまでのカーナビや地図アプリとは大きく異なり、順路をリアルタイムで示す目印を主観で、より直感的に確認することができる。
似ているサービスとして、Google Mapがスマートフォン上でARを用いて視覚的に案内するサービス「インドアライブビュー」がある。
さらにもう一つ、ARには大きな利点がある。それは、身に着けるARデバイスが小型なことだ。Amazonをはじめとした様々な企業が多く販売しているスマートグラスが、その最たる例だろう。それに加えて、近年はコンタクトレンズ型のデバイスも研究、開発されている。ARが日常に溶け込む土台は、すでに整いつつあるのだ。
ARがもたらす、交通上での新たな利便性。それらを普及させる可能性を持つデバイス。これらが普及した際には、現実世界とバーチャルが融合し、新たな当たり前、新たな価値を生み出してくれると信じている。