昨今、テレビや新聞等のマスメディアに報道されている欧米の領土問題等について、不透明な状況が続いている。これは欧米の民族意識や自治意識が高まったからである。アジア諸国においても様々な問題が生じているが、世界GDPの過半数を近い将来アジアが占めることが確実視されている。
このような中にあって国内的には長期のデフレ脱却・円高是正の芽が見えてきたものの、国際競争力の低下、若年世代の内向き志向、急速な人口減などの諸問題も深刻化している。否応なく進むグローバル化の進展の中、伸びるアジア市場の成長力を取り込むことは、どの国にとってもさらなる成長のための必須要件となっている。米国がアジア重視の姿勢を明確に打ち出しているが、我が国の各界がこれまでのアジアにおける事業活動を新たな次元に引き上げ、その対応力を抜本的に強化することは相も変わらず重要課題となっている。
そこで、アジアでビジネスをリードする有能な人材を生み出すべく立ち上げられたのが、京都大学経営管理大学院の「アジアビジネスリーダー育成プロジェクト」
「アジアビジネス人材寄附講座」と呼ばれる講座を展開し、アジア諸国の現地事情、歴史、社会、文化、経済、産業、行政機構などに精通したビジネスの拡大や新規事業の開拓ができる人材の育成を実施している。
この講座内容は、各国トップクラスの研究者、現地企業の経営層等から多数の講師陣を招いて、国別・産業別の特性や成功事例を分析し、国ごとに異なる事業経営成功のための優先取り組み事項の明確化を進めている。また、現地ビジネスの開拓能力を飛躍的に向上させるため、現地企業・政府機関・企業等との緊密な人脈構築を目的として、座学のカリキュラムに加え、現地有力企業等での中長期のインターンシップ研修を積極的に取り入れた、これまでにない斬新な教育コースの開設と人材育成実践を参加企業と共同で実施している。
英語研修・・・フィリピンにてビジネス英語研修の実施
コアコンピテンシー集中講義・・・ビジネスに必要な4つのテーマ及び事例各国の著名な講師陣から実践的な講義
発展的コンピテンシー・・・アジアにおけるビジネスやグローバルなビジネスの基礎となるコミュニケーション能力を強化し、ビジネス上の武器を習得
Field Reserch(インターンシップ)・・・現地のネットワークを構築するためのフィールド研修
最終ラップアップ・・・受講生が研修期間中に作り上げたビジネスモデルの提案
大学院内でこうした講義の展開を実施して、より多くの方にアジアで活躍する人材を育成することを目的とした事例は実に画期的な策略だ。
各国でトップクラスの研究者や現地企業の経営層等から多数の講師陣を招くことで、国外の現実問題が生で聞けるというのは驚いた。
そして、インターンシップに関しては、現地有力企業での中長期に渡る現地のネットワークを構築するためのフィールド研修は、その企業組織に関わることで国外のビジネスの参考になる他、国際的コミュニケーションがとれるのは魅力的だ。
国内で留まることなく欧米やアジアに進出することはビジネス成功の大きな鍵となり、友好な関係を築くきっかけになるだろう。
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