まず始めに。今やいろんなサイトでアカウントを作り、IDやパスワードの管理に追われている人間が増えてきたに違いない。というのも、例えばiPhoneなんかを持っている人は当然のようにApple IDも持っているだろう。私は先日、スマートフォンの買い替えをした。
その際に、移行にあたってなんとApple IDをど忘れしてしまったのだ。携帯ショップであくせくした挙げ句の果てに、自宅で何度も試しては失敗を繰り返しロックまでかかってしまった。現時点では何の問題もなく新しいスマートフォンを扱えているが、やはりIDとパスワードを沢山持っているからか咄嗟に思い出すことが出来なかったのである。
自身の体験談を連ねてしまったが、そういった人は無きにしもあらずではないだろうか。PC限定ではあるが、2010年の時点で『ID Manager』というソフトが既に存在していたのである。起動時に一つのIDパスワードを打ち込む事によって、色んなサイトのIDとパスワードを変わりに覚えていてくれるという優れものだ。では、それらを進化させたIDとパスワードの管理システムが存在しているに違いない。何故なら、時代は進化するものだから。
『myIDkey』IDやパスワード、重要なデータなど指紋認証ロック機能を使ってUSBで安全に管理できるものだ。多数のアカウントやパスワードを使い分けることは非常に面倒だが、これ一つでパスワードを覚える必要もなく、音声コントロールでいつでも情報が確認することが出来る。指紋認証ロック機能を使っているので、ロック解除が困難である。言うまでもなく、ID Managerの進化系でありIDパスワード管理にバイオメトリクス(生体認証)を取り入れた先端の技術である。ただし、これも2013年と少し前の技術だ。
・バイオメトリクスとは
「生物個体が保つ特性」により、人物を認識する技術。用いられる特徴や特性は「指紋」「顔」「声紋」「網膜」「署名」などがある。
実際、指紋認証というとiPhoneを使っている人であればとても身近にあるものだと思う。指紋認証はコストが低くて導入しやすく、TouchIDなんかは指紋認証を当然のように使っている。なので、何気ないことではあるがバイオメトリクスはもうとても身近な存在なのだ。となると、ネットショッピングサイトやSNSでもIDパスワードが必要とされなくなり、指紋認証やその他の生体認証でロック解除出来てしまう日がそう遠くはないものと思われる。文字列が必要とされなくなるだろう。それは、IDパスワードを総括コントロールするデバイスが進化するか、サイトやサービスそのものにバイオメトリクスが取り入れられるか、現段階ではわからない。(画像は参考サイト:バイオメトリクスとは?より引用。)
・バイオメトリクスとIDパスワード管理システムの未来
iPhoneXが発売されて少々日が経った。新しく発売されたiPhoneはTouch IDではなくFace IDという新しいバイオメトリクスが導入されている。Face IDはデバイスのロック解除だけではなく、オンラインストアでの支払いですらも顔認証で可能な新しいシステムだ。
3万以上の赤外線ドットを顔面に投射して赤外線カメラが撮影し、顔の凹凸などの震度情報を取得して、顔の3Dモデルを構築し照合する。これを即座にやってのけてしまうのだ。
また、目を閉じたり視線を画面に向けていなかったりするとセキュリティの加減でロックは解除されない。何故なら、顔の筋肉の動きや視線、表情まで読み取っているからだ。しかし、急な変化には弱いらしく、一瞬で別人のようになるか、マスクを着用しているとロックは解除されない。だが、サングラスを着用していても問題なく認証される。なんと、サングラスの奥の視線までキャッチし認証しロック解除が出来る。また、暗闇でも顔認証が可能なのだ。
これからの未来、Touch IDではもう時代遅れになるのだろう。今は顔認証システムが導入されたが、そのうち虹彩認証や声紋認証など様々なバイオメトリクスとIDとパスワードが紐付けられて、より強固なセキュリティと利便性が進化し、生きる人間自体がIDとパスワードになる未来が遠くないところまで迫っているだろうと私は思う。