G20006 デジタルデザイン論 最終レポート課題 ネット・ゲーム依存の今後について

私は授業の中でForestというスマホ依存防止のアプリについて紹介した。

現代社会においてスマホ依存、ゲーム依存は深刻な問題として取り上げられており、各家庭や自治体までもが依存防止の対策を出している。では日本と海外ではどのような対策がとられているのか。

香川県 ネット・ゲーム依存症対策条例 スマートフォンの一日の使用時間を60分までにする(休学日は90分まで)

    義務教育修了前の児童は午後9時まで

    それ以外の18歳未満は午後10時まで

    罰則はなし

フランス 学校でのスマホ使用禁止 運転中のスマートフォン禁止キャンペーンビデオ

韓国 16歳未満は午前0時から午前6時までのオンラインゲームの提供を違法としている。

 これらの対策をとったことにより一体どれだけネット依存は改善されているのだろうか。

香川県はネット・ゲーム依存症対策条例の施行後スマートフォン等の利用に関する調査を小学生から高校生に行った。これによると、一日当たりの利用時間は3年前と比べて3時間以上の長時間利用者が小中高すべてで減少していた。

しかし、ネット・ゲームへの依存傾向の調査では中学生は3.4%から6.3%に、高校生は2.9%が4.6%にいずれも増加したことが分かった。

利用時間の減少にはつながったものの、肝心の依存傾向は増加してしまっている。

 この結果をみて、自治体での対策はネット・ゲーム依存への意識の変化はあったかもしれないが、根本の解決には至っていないと感じた。現時点で罰則がないからという見方もあるが、個人個人の利用時間を完全に把握することは不可能である。

 ネット・ゲーム依存症は、WHOが「ゲーム障害」という疾患であると認めたにもかかわらず、アルコール依存や薬物依存と比べてまだ軽視されている傾向がある。条例などでネット・ゲーム依存への危機意識を持たせることは意識改革という意味ではとても重要だと私は考える。しかし、実際に依存症になってしまう前の段階で、利用時間を減らすなど制限をかけるのは自分自身であり、ルールを破ろうと思えば破ることができてしまう。では、どうすればルールを守ることができるのだろうか。

 そこで、私が紹介したForestとというアプリのようなゲーム感覚でスマホの依存を防ぐことのできるアプリが必要になってくるのではないかと思う。ネット・ゲームの利用時間を減らすこと自体をゲームにすれば無理なく利用時間を減らすことができるのではないだろうか。現状、こういったアプリは少ないが社会全体の危機意識が高まることで需要も高まってくると思われる。

 今後、さらにネット・ゲームの依存症についての問題は出てくるだろうが、条例、法律の制定の話題が出るだけでも、社会全体の意識は変わっていくのではないかと思う。その意識の変化とともにForestのようなアプリの需要が高まっていけば、ゲームの開発のようにネット・ゲーム依存防止のアプリなどの開発をする会社が増えていくことで、選択の幅が広がり、その人にあったアプリを使って依存を防止していくという世の中になるかもしれない。

参考

香川県教育委員会 令和二年度 スマートフォン等の利用に関する調査https://www.pref.kagawa.lg.jp/kenkyoui/kyoisomu/syokai/sonota/internet/sumaho.html

https://www.pref.kagawa.lg.jp/documents/15443/r2_sumaho_kekka.pdf

内閣府 平成25年度 アメリカ・フランス・スウェーデン・韓国における青少年のインターネット環境整備状況等調査https://www8.cao.go.jp/youth/youth-harm/chousa/h25/net-syogaikoku/pdf-index.html

ネット依存治療は酒や薬物と比べて格段に難しい【時流◆スマホ関連病】https://www.m3.com/open/clinical/news/article/682126/

香川県ネットゲーム依存症対策条例 SKM_C65820032408130 (kagawa.lg.jp)

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