誰もやったことがないような枠に囚われない新たなメディアアートに挑戦し続ける人がいる。
彼の名は、真鍋大度だ。
今若者に人気のperfumeのPVや、ライブ演出や、企業やファッションブランドにおける展示システムを企画・制作している。
彼の手掛けたメディアアートは、従来の発想とは違い独特の発想を用いている。
今回はそのユニークなメディアアートを紹介したいと思う。
▲Preview on iTunes Music Store
真鍋さんのPV初監督作品は、やくしまるえつこの『ヴィーナスとジーザス』。
これは、3次元距離測定赤外線カメラ『SR4000』と通常のビデオカメラでミュージシャンの姿を撮影し、色と深度の情報をマッチングさせて、
粒子の集合体ふうの3Dモーショングラフィックに変換した労作だ。
会場では、未公開の別バージョンもちらっと紹介する、粋なはからいもあった。
この半年後に発売されたKinectが、より手軽に色と深度を取得してしまうのだが、当時は無かった技術を自分で作り出すというところにすごく関心した。
▲NIKE MUSIC SHOE
真鍋氏の自社「Rhizomatiks」(ライゾマティクス)の一員・柳澤氏と、真鍋氏のタッグで話題をさらった仕事のひとつが、「Nike Music Shoe」。
トレーニングシューズを電子楽器に変える(!)という奇想を、ソフトとサウンドデザイン面で真鍋さん、ハード面で柳澤さんが担って実現したもの。
これをブレイクビーツユニット・HIFANAが演奏する映像はYouTubeを通して世界中に注目された。
実際は一週間程度でシューズのプロトタイプを作り、3日でソフトウェアのベースを作り、HIFANAに触ってもらって出てきた意見をまたすぐ反映し…というスピード開発だったことに驚いた。
このプロモーションは、テクノロジーを用いているがリアリティが失われていない。
これまでに真鍋氏が手掛けてきた映像とは違う伝わり方をしたのではないか。
メディアと映像、映像とテクノロジー、テクノロジーとリアリティ・・・
そのすべてにおいてデジタルではない生身の「人」か必ず関係している。
「人」によって作り出された新たなる発想、ひらめきが必要不可欠になっている。
その「人」と「テクノロジー」の融合はどのように進化を遂げていくのだろうか。
今後のメディアアートに注目していきたい。
参考URL
http://tokyo.fabcafe.com/archives/6041#.U3q0VdJ_siZ
http://www.youtube.com/watch?v=CKqLuG98bGE
http://www.youtube.com/watch?v=uS1exujG3cY#t=143