脳とPCを繋ぐ G16023

・ブレイン・マシン(コンピュータ)・インタフェースとは

ブレイン・マシン・インターフェース(Brain-machine Interface : BMI)とは、脳信号の読み取り・脳への刺激によって脳(思考)と機械のダイレクトな情報伝達を仲介するプログラムや機器の総称である。接続先がコンピュータである場合にはブレイン・コンピュータ・インタフェース(Brain-computer Interface : BCI)とも呼ばれる。

初期の『脳深部刺激法(DBS)は『外部から脳に干渉する』という方向だったが、最近では逆の『脳波で外部機器をコントロールする』技術も次々と開発されている。

チップ脳に移植する埋め込み式とヘッドセット型がある。埋め込み式に比べヘッドセット型は精度は落ちるが、手術も不要で手軽と言うこともあり、実用面では埋め込み式をリードしている。

 

・脳とPCを繋ぐとは?

人間の脳の活動は、ニューロンとよばれる神経細胞間で、アナログ電気信号をやりとりすることで行われている。この電気信号のパターンを読み取り、デジタル信号に変換、コンピューターに入力することでシステムを操作し、外部の機器にあたる義手や義足を動かすというのが基本の考え方だ。

 

・BMIを使った研究の例

2006年、アメリカのブラウン大学で、ALS(筋萎縮性側索硬化症。脳や末梢神経からの命令を筋肉に伝える運動ニューロンが侵される難病)の患者が、埋め込み型BCI『ブレインゲート』システムを使って、思考の力だけでカーソルを移動させ、メールボックスを開いたりすることに成功した。現在、ブラウン大学はスポンサーのサイバーキネティクス社と共同して研究開発を進めている。

2014年8月、ヘッドセット型BCIを使った実験の成功のニュースが世界で話題になった。脳波記録用ヘッドセットをつけた被験者Aに「こんにちは」「ハロー」などの挨拶を思い浮かべてもらって、そのデータを別の国にいる被験者Bにインターネット経由で送信する実験をしたところ、送信側の被験者とは別の国に住む人で、挨拶の言葉も違うにもかかわらず、被験者Bは実験後に「挨拶の言葉が聞こえた」と証言している。

 

・応用例

自分の脳波を測定し、データをスマートフォンに送信しアプリ上で自分の精神コンディションを把握することができる”flexctrl”、集中しているときは耳がピンと立ち、リラックスしている時は耳が寝るなど、感情の動きに合わせて耳が動く「ネコミミ」、Sensoree社の、感情の状態に合わせてLEDライトの色が変るセーターなどがある。

 

・今後について予想

BCI技術は人間の機能拡大をもたらすと考えられている。ニューロンの動きが全てマップ化され、世の中の人間の大半がBCI化すればコミュニケーションはわざわざ言語に訳すことなく脳と脳同士の概念的なものになっていくだろう。感情すらも視覚化され、情報伝達の速度はさらに速やかなものになると予想される。また、人間と機械との密接さも増し、コンピューターはただのデバイスではなく、文字通り自分の体の外にある電脳(中国語でPCの意)となるだろう。

 

参考・引用

ブレイン・マシン・インタフェース – Wikipedia

医療とコンピューター:人のからだに入り込むコンピューター|ユビキタス(RFID)|テクのサロン|TDK Techno Magazine

脳で直接操作、進化するブレイン・コンピュータ・インターフェース | sign

「4年以内に脳にコンピュータを埋める。他者の概念が直接ダウンロードでき、“テレパシー”が新言語になる」イーロン・マスクが断言!

「腕を動かそう」と考えるだけで義肢を動かせる、脳に埋め込む装置『ブレインゲート』

FUTURUS(フトゥールス)GADGET>さあ、このヘッドセットをつけて超能力者になろう

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