最近、頻繁に目にするようになった言葉、「推し活」。2021年には流行語大賞にもノミネートされ、メディアでも人々の会話においても、推し活休暇など社会現象になるほどかなり浸透してきている。「推し活」とは、自分が推しているアイドルや俳優、キャラクターなどを愛でたり応援したりする活動のこと。代表的なのは、アイドルや歌手、アーティスト、キャラクターだと思う。
そのブームに乗り、近年激増している、漫画・アニメ・ゲームを原作とした舞台やミュージカル。「2.5次元舞台」「2.5次元ミュージカル」と呼ばれているものを紹介する。
アニメやゲームの2次元の世界と、現実の3次元の世界の中間の意味で「2.5次元」と呼ばれる。
今では主に、アニメ・ゲーム原作の舞台や演じる俳優に対して使われることが多い。俳優の場合、キャラクターの姿に扮し、キャラクターそのものとしてふるまって見せるが、ディズニーランドやUSJのキャラクターキャストなどとは違い、俳優自身の普段の姿も隠さず、SNSの個人アカウントでも盛んに本人たちが写真更新を行うのが特徴的である。特に有名舞台作は「テニスの王子様」「刀剣乱舞」「ヒプノシスマイク」「薄桜鬼」。
2.5次元ミュージカルの良いところは、俳優の手によってキャラを演じ、アニメや漫画で出ていたキャラクターが原作通り動いたり歌ったりするところを間近で見ることができるところだ。ターゲットはもちろんその原作が好きな人たちがターゲットである。主に女性ファンが多い特徴がある。ただ、アニメが先に展開している作品だとミュージカルとアニメの声が違うのが嫌なので行かないというファンもいる。
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この「2.5次元」人気を支える俳優たちは「2.5次元俳優」とも呼ばれており、2.5次元舞台・ミュージカルをはじめ、仮面ライダーシリーズやスーパー戦隊シリーズなど特撮(ニチアサとも呼ばれる)ドラマにも出演しています。
これらの舞台や特撮ドラマに新人時代に出演した俳優の中には、人気と実力をつけたことで帝劇ミュージカルや映画・ドラマ俳優として全国的に知られるようになった人も多く存在し、2.5次元舞台そのものが俳優キャリアの登竜門にもなっていますある時見に行った作品で推しの俳優がみつかり、2次元の原作に詳しくなくても、3次元の推しの俳優が出演している作品を見に行く、という人も多いようです。2.5次元俳優は若手俳優やまだ知名度の低い俳優も多い世界。
2.5次元舞台をきっかけで推し始めた俳優の演技力の成長や、1人の俳優として大きくなっていく様を見守ることができるのも、2.5次元舞台・俳優推し活の魅力のひとつです。
NHK紅白歌合戦やFNS歌謡祭などテレビ番組にも2.5次元俳優たちがキャラクターとして出演し、一般的な認知度が上がった。確立してから10年強の2.5次元舞台。エンターテイメントの新しい形として、今後もさらに間口を広げて、さまざまな試みに挑戦するコンテンツが増えるのではないかと思う。