レポートの議題となった「アール・ブリュット」
今回はそのアール・ブリュットについて考えようと思う。
「生(き)の芸術」というフランス語。アール・ブリュットの作者は、囚人や、精神病者など、何らかの理由で社会から見放された孤独な人々だ、しかしそれ故に今までの芸術文化に影響されえない独自の表現方法を用い、時にはこれまでの芸術では利用されなかった材料を用いたり、使用されたことのない技法を用いたり、伝統や流行に左右されない自身の内面から湧き上がる思想を表した芸術のことである。
昨今では様々なところでアール・ブリュット支援をしている団体がある。
「日本財団」はその中のひとつだ。日本財団は人を、団体を、活動をむすぶことで、ソーシャルイノベーションの輪を次々とひろげ、「みんなが、みんなを支える社会」をつくっていく団体である。
パリで開催されたアール・ブリュット・ジャポネ展で日本の障害者が作った作品(約800点)が紹介され大きな反響を呼んだ。
一方、日本では、こういった作品を多くの美術館で展示・所蔵するまでには至っていないため、作品の保存や、美術作品として相応しい展示機会の拡充が望まれている。
そこで日本財団は作品の適切な保存と管理を行うと共に、展覧会等を通じた国内・海外への日本のアール・ブリュット作品の普及を行う、及び改修によるアール・ブリュット美術館の整備と企画を事業内容に入れた。
事業計画としては、パリで高い評価を得た日本のアール・ブリュット作品を所蔵し、適切に保存しながら、美術作品として相応しい展覧会への出展と、
古民家・蔵を改修した美術館の整備・企画運営支援を通じた展示機会の拡充と鑑賞環境の整備を行い、より多くの人に作品の魅力を届けるアール・ブリュット支援事業を展開している。
保存方法
アール・ブリュット・コレクションの展示室の内装は、基本的に黒色で統一されていて照明も薄暗く、また窓がほとんどない。
これは作品の多くは痛みやすいため薄暗い照明が適していることと、世間から閉じられた孤独な環境の中で、独自に生み出されてきた作品を展示するためには、このような展示環境が良いと考えられたことによる。
以上のアール・ブリュットの作品、及び日本財団等の事業支援を交えた、私の企画を提案したいと思う。
アール・ブリュットは新しい発想や希望を導く、とてもすばらしいものであるが、
アール・ブリュットを作った作者は、何らかの理由で社会から見放された人たちであるというのも事実。
それを社会はどう受け止めているのだろうか?
人間は必ずしも、手が動かせて、足で歩けて、目が見えて、口を使って話すことができるわけではないということを理解していない人を見受けられる機会が多々ある。
自分たちと同じような体ではないだけで、軽蔑される。
それが悲しい現状だ。
その現状はいつまで続くのだろうか?
体や、精神は普通の健康的な人たちとは違うかもしれないが、こんなにすばらしい絵をかけることができる!!創造することができる!!伝えることができる!!といううことを私はもっといろんな人に伝えたい。
そんな想いから考えたのがこの企画、
「アール・ブリュット拡張化計画」
具体的にどんなことをするのか、その説明をしたいと思う。
この計画はより多くの人にアール・ブリュットについて学んでもらうことを目的とする。なので、対象エリアは学校やショッピングモール等で行う。
実際にその対象エリアにアール・ブリュット作品を展示し、作品の説明を行う。
そうすることによってこれから社会に出て行こうとする多くの生徒さんに知ってもらうことが可能になるのではと考えた。
またショッピングモールについては、若者だけではなく様々な年齢層をターゲットにすることが可能になる。
この計画は今の日本の現状では難しいとは思うが、こんなことをできる世の中にいち早くなってほしいと願う。