【G12010】プロジェクションマッピングの可能性について

プロジェクションマッピングとは、映写機器を用い、建物や物体、空間などあらゆるところに対して映像を映し出す技術のことである。基本的に、映像を映写できないものはないと考えていいだろう。

まず紹介するのは、ファッションショーとプロジェクションマッピングを融合させたこのイベントだ。

フランスのファッションデザイナー、《フランク・ソルビエ》が2013年に行ったショーで、ここで出てくるドレスが実際に買えるのかどうかまでは不明。

服は、通常は一度完成してしまえばもう動かないが、この映像は動き続ける。服のデザイナーの中にも、なにか物語があって、一瞬のイメージを切り取るようにデザインをしているのだろうか。このファッションショーは服の限界を超えた芸術性を予感させてくれる。

次に紹介するのは、2011年にブラジルの慈善団体が行ったPR活動。
キーワードとして《Hug》を掲げ社会問題に対する国民の意識を高めるために行われた。
その社会問題とは、大人から子供に対する性的虐待である。

夜間2日間に渡り、偉大な力の象徴であるキリスト像がひたすらハグを繰り返すだけだが、社会に投げかける意義はとても深い。
カンヌ広告祭で、アウトドア部門・ブロンズ賞も受賞している。

もっと別の使い方もある。

この映像ははおそらく一般人が行ったと思われる、結婚式の動画だが、ここにもプロジェクトマッピングが使われている。
前述のファッションショーやキリスト像よりもよっぽどスモールな使い方だが、こういう風に記念すべき日に喜びを表現できることこそが素晴らしいと思う。

基本的にただ水面のような映像が流れ、新郎が新婦に指輪を送るのだが、ここにドラマ性のようなものを入れられたら、もっと楽しくなると感じた。

この技術がもっと広まれば、企業の広告や大規模な舞台だけでなく、個人的でささやかな時でも、誰もが舞台の主人公のように華々しく日々を送れるだろう。