トリックアートとは人の目の錯覚を利用した芸術の一種である。
壁や床などに描かれた平画面の絵などをを立体的に見せるものがその代表ともいえるだろう。
しかし、その逆ともいえるものもある。
一見、部屋の中が透明な壁のようなもので仕切られているだけに見えるが、これは実はトリックアート。
これを他の角度から見てみると…
こうなっている。
これは、フェリチェ・ヴァリーニの作品である。
フェリチェは、スイス生まれフランス在住の現代美術アーティストだ。
有名な作品は先ほどの建物の壁に幾何学模様が平面に見えるようなものである。
簡単に言うと、何もないところに平面の壁が生まれるというものだ。
この作品の制作方法は、投光器を使用し、壁面に図形を照射して描く。
フェリチェの作品は、1点から観たときのみ完成され、そのほかの場所から見ると断片的なものにしか見えない。
そして幾何学的な模様が多い。
他にも、模様だけではなく、それを利用して実在するものを囲んだりということもできるのである。
フェリチェの作品は大きいものだとお城を丸々使用したものもある。
そして他にも、こんなものもある。
私は今まで見たどのトリックアートよりも美しいと思った。
平面を立体にするのではなく、奥行きなどがあるスペースをキャンバスに、平面的に見えるものを描く。
写真でみると、写真の上に落書きしたようにしか見えない。
現場で直接見ることにより、フェリチェの作品の醍醐味を感じることができるのだろう。
参考:
Geometric Illusionary Perspective Paintings(英文)
DESIGN BLOG BIRD YARD「フェリチェ・ヴァリーニ Felice Varini スイス発の視覚と空間を利用した現代芸術」