クラウドファンディングとは、ある「志」を持った人や団体に対する資金を、ネットを通じて多数の支援者から収集し実現する手法。
ここでのクラウドは「群集 (Crowd)」ファンディングは「資金調達(funding)」という意味。(Crowd Funding)
チャリティーやファンドレイジングなど社会公益のためにしか使えない手段ではない
クラウドファンディングには種類があって
1「寄付型」 : リターンを一切求めないタイプ
提供者に見返りなし
2「購入型」 : 金銭以外のリターンがあるタイプ
作品やイベント招待など
3「投資型」 : 金銭的リターンを想定するタイプ
事業が成功すれば、お金としてリターンがある
米国でいわゆるJOBS ACTが成立した2012年3月以降、世界のベンチャー業界ではエクイティをベースとしたクラウドファンディングのトピックがよく取り上げられるようになりました(JOBS ACTについてはこちらをご覧ください。また、プレゼン資料をこちらにアップしています。)。
2012年末に出るといわれていた施行ルールが遅れていることもあって、米国でもJOBS ACTに基づくエクイティクラウドファンディングサービスは、この記事の執筆時点では正式な形ではローンチしていません。けれども、英国では監督当局であるFCAの認可を得たサービス事業者による展開が既に行われているなど、世界的にこうしたサービス形態が注目を浴びる流れができており、こうした動きは2013年以降の資金調達のトレンドにとって無視できないものとなりつつあります。
成長企業に対する資金調達に携わっている立場として、管理人自身も、事業者の方々はもちろん、金融庁やシンクタンク、他のメディアや有識者の方々から、エクイティ・クラウドファンディングについて意見を求められる機会も増えてきており、こうしたトレンドの日本での広がりを日々感じております。
こうした点をふまえて、今回は、エクイティ・クラウドファンディングについて、現時点での議論の簡単な整理をしてみたいと思います。
寄附型、購入型、投資型といった、クラウドファンディング一般のソーシャルファイナンスという金融の文脈から見た議論の整理については、こちらのプレゼン資料をご覧いただければと思います。特に、クラウドファンディングが、先進国型のソーシャルファイナンスの一類型として、SNSなどにより作られたソーシャルネットワークを基盤として行われる、資金需要者の信用情報の創造活動に依拠したサービスであること、投資者による資金拠出の動機は、必ずしも収益性などの経済合理性に基づくものではなく、資金需要者の活動に対する共感に基づくものでありうること、は重要であると考えています。そしてこれらは、対価がエクイティという形を取ったとしても、軽視されるべきではない特徴であると考えられます。
バズワードとなってしまった言葉にしばしば見られるように、エクイティ・クラウドファンディングという言葉についても、人によって指すものが相当異なるという状況になっています。たとえば、「多数の投資家から少額ずつ資金を集める」というのは、まさにこれまで株式市場が担っていた役割にほかならず、パブリックオファリングというのは、クラウド(大衆)に対して株式(エクイティ)を用いて資金を調達する活動です。また、株式以外の形(集団投資スキームなど)で有価証券投資以外の資金を調達する仕組みは、これまでにも日本に存在しています。
エクイティをベースとしたクラウドファンディングサービスの例として、現在日本では、いわゆる「ソーシャルレンディング」と呼ばれているサービスと、資金需要者自身が組成する匿名組合出資などの集団投資スキームの組成を手伝うサービスがあります。「ソーシャルレンディング」は、資金需要者に対しては貸付を行っているものの、その原資を集める方法は匿名組合出資などの集団投資スキームによって行われていますので、これらもエクイティをベースとしたクラウドファンディングの一つとして位置づけられます。
上記の法規制上の論点のほかに、株式形態のクラウドファンディングについては、実務上の工夫が必要なポイ