素晴らしいデザインとは、どのようなものでしょうか?
素晴らしいデザインは時代を超えて色褪せないものだと言われています。
ディーター・ラムスのようなモダンな製品は色褪せないと言われていますし、ルイ・カーンのような禁欲的でありながらもテスクチャを大事にした建築も同様に色あせないデザインだと言われています。
デザイナーであれば色褪せないデザインをつくりたいと思うでしょうし、それを一つの目標にしている人もいると思います。
それでは、私はどうかと聞かれると言葉に詰まってしまいます。
そもそも私はまだ学生の身であり、デザインを学んでいる途中です。
そんな私にデザインとは何かと聞かれて正しく自分の考えが答えられるでしょうか?
ほかの人が正しく自分の考えを述べることができたとして、少なくとも今の私には他と同じように答えることができません。
自分の未来や10年後ですらあやふやなままですから。
そこで、このレポートを書いていて気になった人物について紹介したいと思います。
上記でもご紹介したドイツの工業デザイナー、Dieter Rams(ディーター・ラムス)をご存知でしょうか?
私は名前や軽い経歴は知っていましたが、今回彼を調べて知らないことばかりがでてきました。
彼は、ドイツの家電メーカーBRAUN(ブラウン社)に所属し、500点以上の革新的なプロダクツ・デザインを手がけた人物です。
ブラウンといえば日本では電気シェーバーメーカーのようなイメージを持つ人も多いと思いますが、実はアップルのようにデザイン主導型の企業なのです。
ラムスは1955年から1995年までブラウンのデザイン部門に在籍してデザインチームを率い、”Less but better”をスローガンに、機能と美の融合した家電製品を生み出した人物です。
中でも現代のデザイナーで彼の影響を色濃く受けているのが、アップルでiMacやiPodのデザインを手がけたデザイナー、Jonathan Ive(ジョナサン・アイヴ)。
iPodとポケットラジオ「T3」、G5とラジオ「T1000」などは、類似点が指摘されるほどです。
他にもジャスパー・モリソン、セバスチャン・コンラン、日本でも無印良品、深澤直人など、現代で活躍するプロダクト・デザイナーたちがラムス氏の影響を公言している程です。
ここで、彼が掲げる良いデザインのテーゼ「デザイン10か条」を紹介します。
・良いデザイン10か条
1.革新的であること
2.実用的であること
3.美的で感性的であること
4.製品の理解を助けること
5.謙虚であること
6.誠実であること
7.長持ちすること
8.細部に至るまで一貫していること
9.環境に配慮していること
10.出来る限り抑えられたデザインであること
この10か条に加え、最後は「純粋さに戻れ、単純さに戻れ!」と締めくくられています。
今、日本にいるデザイナーでこの10か条に当てはまるデザインをすることができるのはどれだけいるのでしょうか。
私は進む方向性が決まっていないので、それが決まるまでの間、この人とこの10か条を頭の隅に置きながらデザインができるといいなと思いました。