インターネットを含むマス媒体の領域でクロスメディアでプロモーションしている事例について G16023

『フラッシュポイント -特殊機動隊SRU-』という海外ドラマの作品があります。この作品のDVDリリースのプロモーションとして、オンライン&リアル2軸のTwitter“つぶやき試写会”が開催されました。これは1話〜3話をダイジェスト映像配信した後、オンライン試写会として毎週1話ずつ配信を行います。同時にリアルの試写会の為にどのエピソードが見たいかTwitterで募集、人気上位のエピソードをリアルの試写会で流すことができ、効果的なプロモーションと効率的にマーケティングを成功させることができました。
現在はスマホの普及に合わせ、SNSの存在は私達にとって密接なものとなり、そのサービスごとにターゲットを絞ったり、戦略を組み合わせることができるようになりました。

では、Twitterなどが今よりあまり一般的ではなかった時代はどのようなクロスメディア戦略があったのでしょうか?
クロスメディア・マーケティングの方法としては、CMの続きをWEBサイトにつなげたり、TV番組の視聴者プレゼントをホームページで参加させるなどがありました。
しかし、もっと密接にネットとテレビを活用したものがありました。2008年から始まった『ロケみつ』(前身はなまみつ)という番組です。この番組は"吉本興業所属の若手お笑いタレントがそれぞれ定められたルールの下で「ブログ旅」と呼ばれる旅ロケを行いながら、旅をする本人がその経過などを番組公式サイト内のブログで紹介。放送翌日正午までに対象のブログ記事へ寄せられた視聴者コメントが1000件に満たない場合、その企画は即座に打ち切りとなり、収録済みのVTRもお蔵入りなるルール。"(Wikipediaより)というものでした。コメント数で人気が不人気か、また、どんな企画が視聴者に求められているかわかるので、結果より受けるコンテンツを残すことができます。特に人気の企画、稲垣早希の『ブログ旅』ではコメント数とコーナー開始時に振るサイコロを合わせ、その回の所持金が決まるルールがありました。このようにコメントが1000件以上になったからもうコメントしなくていいと思わせず、何度もコメントしたり、人に伝えて少しでも応援したいというファン心理からプロモーションとしても成功していました。
この番組は度重なる番組名の変更や放送時間の変更により形態が変わっていき『暇リサーチ』という暇な若手芸人に日常でふと気になる些細な疑問を減少させる為、時間のかかるロケをさせるというものに変わりました。ロケみつ時代のブログも、出演してほしい芸人のリクエスト要望ハガキが1000件を越えた芸人しかでれないというものに変更され(さらに「1000通を超えた芸人のロケがすべて終了するまで、1人1日10通までしか応募できない」という規制が設けられたがそれでも対処できない事態となったため、2014年7月26日放送分からは「夏休み中は絵はがきでしか応募できない」、2014年8月1日放送分からは「1人1日1通」、2015年の正月休み期間は年賀はがき限定で1人1通と、次々と場当たり的に後付ルールが変更されていった)、クロスメディアのクロス先のメディアが変わってしまいました。結果、後付けしないと持たないほどのルールのそぐわなさと番組側からのハガキルールの無視により2015年に放送終了となりました。
このロケみつの事例はクロスメディアの有効性と、どの媒体を使うか吟味されたものでないと大きな失敗をする、という例になったのではないかと思います。このような番組の積み重ねが現在のクロスメディア戦略を形作って行ったのだと私は考えます。

クロスメディア・マーケティングとは
海外ドラマ初のtwitter連動企画『フラッシュポイント ‐特殊機動隊SRU‐』つぶやき試写会
ロケみつ(Wikipedia

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