今回は自由課題ということで、前にも少し触れたSound Horizon(サウンドホライズン)について紹介しようと思う。
Sound Horizonとはサウンドクリエイター、Revoを唯一のメンバーとする日本の音楽ユニットである。自らを「幻想楽団」と称し、物語性のある歌詞と組曲的な音楽形式による「物語音楽」を主な作風としている。その物語は人それぞれの解釈ができるようになっており、楽曲や旋律、CDのパッケージ、ブックレットなどにも様々な仕掛けが施されている。
■CDの仕掛け
・隠しトラック
アルバムによって違うが、歌詞カードの最後やCDを分解するとURLが書かれており、そのページに書かれている質問(難易度は高め。CDの内容に関したものになっている。)に答えると聴けるという仕組みになっている。初期の頃は44曲目に入っているなど比較的簡単。
・歌詞カード
Sound Horizonの歌詞カードは読めないことで有名だ。しかし理由も無く読みづらくしているわけではない。あるアルバムでは最後にでてくる暗号を解くための鍵になっていたり、童話がテーマのアルバムでは歌詞が影絵になっていたりする。ちなみに詩人が主人公の曲ではボーカルが入っておらず、歌詞カードに詩が綴られている。
そしてもちろん、ライブやコンサートにおいてもこだわりは強い。
■10月26日(土)にさいたまスーパーアリーナにて行われた<Revo’s Halloween Party>での演出
・腕時計型のシンクロライト(通称リストバンド)
開演前に観客全員にリストバンドが配布され、アナウンスによるレクチャーがされた。開演後、ナレーション担当の人が指さした方向にリストバンドが一点だけ点滅し登場人物が現れたり、ハロウィンの曲が流れている間、観客全員のリストバンドが光り物語の世界観をつくりあげたりと、観客を舞台装置として利用することで物語の中に引きずり込むようになっている。
そして物語の最後、とあるセリフのときにリストバンドが光り、ファンなら必ず知っている続きのセリフを観客が叫ぶと初回限定盤のメロディが流れる。
・巨大な壁
ハロウィンの曲以外にも、進撃の巨人OP「紅蓮の弓矢」のライブも行われた。
背後のスクリーンに巨大な壁が映し出され、あたかも観客が壁の中の町ににいるかのように演出した。(このときもリストバンドが赤く光り、世界観をつくりあげた)
他にもRevo氏による仕掛けや演出は多数ある。
私はクリエイターとして、Revo氏のこだわりの深さを尊敬しており、こうでありたいと思う。
これからもRevo氏が、ファンのため、理想のためにどのような試みをし、どのように解釈のための情報を出すのか楽しみだ。