簡単な操作で作動する介護ロボットや、人の生活に身近なロボットが続々と登場してきているなか、城端町出身で産業技術総合研究所(茨城県つくば市)の柴田崇徳主任研究員と、砺波市の電子機械の企業が共同で開発したいやしロボット「パロ」が実用化され、2004年度秋から高齢者福祉施設へのリースが始まった。
「パロ」は、精神的なセラピー効果を目的にしたロボットだ。
姿はタテゴトアザラシの赤ちゃんで、多数のセンサーや人工知能の働きによって、人間の呼びかけに反応し、抱きかかえると喜んだりするほか、人間の五感を刺激する豊かな感情表現や動物らしい行動をし、人を和ませ、心を癒す。
本物のタテゴトアザラシの赤ちゃんの鳴き声がたくさん使われており、製作にあたってはカナダ北東部のマドレーム島沖の氷原へ出掛け、タテゴトアザラシの生態調査を行った。音声認識の機能と、学習機能があり、思い思いの名前を付けて呼び掛けると、新しい名前に反応するようになるのもユニークだ。
メンタルコミットロボット「パロ」 : DigInfo – YouTube
アニマル・セラピーと同様のセラピー効果を備えるほかロボットだからこその多くの利点があり、アメリカではFDA(食品医薬品局)より医療機器として承認されており、多くの医療施設や介護福祉施設などに採用、自閉症の子どもたちや認知症の高齢者などのセラピーに効果を上げ、高い評価を得ている。日本でもパロのセラピー効果が注目され、2010年11月から販売。現在、世界30カ国以上の高齢者施設や病院などで約2200体が導入されている。
柴田主任研究員らは、1993年から癒しの動物型ロボットの研究開発をスタートさせ、2002年、その功績が認められ、「世界一癒し効果の高いロボット」としてギネスブックにより認定された。
そして、大和ハウス工業株式会社はギネス認定10周年記念を祝して、「さくら」色と「チャコールグレー」色の2種で、限定200体販売した。
今回生活に関わるロボットについて模索した訳であったがほとんどが開発途中であったり、高額といった問題点が出てきた。
これはビジネス的に高額であればあるほど購入者が乏しくなり、売上数も上がらないのではないかと単純に思った。
それはこのパロ以外にも言えることであるが、これ程画期的な物がある中、我々に流通しない一番の理由はこの「価格設定」に大きく影響しているからだと考える。
単に「数」を売るのではなく、おもてなしの気持ちを伝えることが大切な事ではないのだろうか?高齢者福祉向けなら尚更だ。世に浸透させるにはまず、お客の気持ちになってサービスの提供を優先的に展開させるべきではないだろうか?
様々な課題が残る「ロボット」という近未来の救世主に期待している。
<参考URL>
http://www.daiwahouse.co.jp/robot/paro/
http://www.toyama-brand.jp/TJN/?tid=102259