クロスメディアプロモーション G16036

●クロスメディアとは
クロスメディアはスタートからゴールまでの導線を引く、一連の広告戦略である。例えば、チラシ単体では多くのユーザーに情報を伝えることはできない。テレビCMで限られた時間の中では商品詳細までは紹介できない。そこでチラシからWEBサイトに誘導して情報閲覧させたり、テレビCMでイベント告知して雑誌に誘導したりなど、それぞれが不足する特徴をクロスメディア戦略によって、補完することが可能である。媒体別の長所と短所を理解しておくことが戦略の鍵となる。

●株式会社レベルファイブ 代表取締役社長 日野晃博
レベルファイブは「常に進化をつづける・新しいものの創出」を理念にゲームソフトの企画・制作・販売をしている。従来のゲームメーカーに留まらず総合的なエンターテイメント企業として展開を進めている。その中でされて活用されているのがクロスメディア施策である。

・「妖怪ウォッチ」
2013年に爆発的ムーブメントを起こし現在も根強いファンを獲得している「妖怪ウォッチ」は、漫画から始まり、ゲームソフト、テレビアニメ、映画上映とわずか2年の間に伸びに伸びていった。関連してグッズの販売など幅広いジャンルで商品のサービス展開が行われている。これがまさにクロスメディア施策である。漫画・ゲーム・テレビアニメ・映画・楽曲・玩具。さらにゲームセンターや店舗での展開があり、全方位に同時進行していくことが世の中にIP(=intellectual property:知的財産:自社オリジナル商品)をアピールするポイントとなる。妖怪ウォッチでキーアイテムとなったのは作品内でも登場する「妖怪メダル」だ。メダルをただの玩具としてではなく利用者がメダルを通じて、現実と仮想空間の価値観をつなぎ、妖怪メダルを軸にそれぞれのメディアを補充したくなるような環境を作ることで大きな相乗効果が生み出されている。これにより消費者とのタッチポイントが増えるため市場に賑わい感が生まれる。

・「イナズマイレブン アレスの天秤」
イナズマイレブンシリーズの新作ではインターネットを活用したクロスメディア戦略が行われている。ネット番組「イナズマウォーカー」を配信しており、事前情報の提供や視聴者参加企画を設け、ファンの期待を盛り上げる政策を行っている。さらに作品への興味をより深めてもらうため、テレビアニメ本編とは別に、後日談のような番外編をネット限定で配信している。テレビアニメではサッカーの試合の模様を放送し、ネットでは試合終了後にキャラクター同士で交わされる試合の感想や雑談を放送して、キャラクターの素顔を見せることにより、利用者に深く愛着を持ってもらうと同時に作品をより深く印象づける効果がある。

従来のアニメはアニメーターに。ゲームはゲームメーカーに。というような一方的な視点でなく、レベルファイブのように様々な視点から全体像を想定し、多様性に富んだ仕組みづくりを意識することがこれからの時代を盛り上げるコツなのかもしれない。

株式会社レベルファイブ
イナズマウォーカー

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