まず動け、未来はその先にある-真鍋大度- G16036

●Rhizomatiksからの真鍋大度
日本を代表するトップクリエイター、Rhizomatiks代表取締役の真鍋大度。
その栄光は海を越えて光り輝いている。
・2009年Prix Art Electronicaの審査員を務める。
・2012年NHK杯国際フィギアスケート競技大会にて
 浅田真央と羽生結弦の演出システムの開発。
・NHK紅白歌合戦にて嵐とPerfumeの演出を担当。
・2013年、2020年東京オリンピックのプレゼンテーション映像、
 太田雄貴選手の剣先の動きを映像化する演出企画を担当。
・2014年アップルのMac誕生30周年スペシャルサイト
 「Thirty Years of Mac」で11人のキーパーソンの1人に選出される。
・2020年東京オリンピックのエンブレムデザインのデザイン選考で審査員を務める。
・2015年世界の歌姫ビョークのMV「Mouth Mantra」を制作。
若くして最前線で活躍している彼はどのようにしてここまでの高みに登りつめたのだろうか。

●Rhizomatiksのなかの人、真鍋大度
1976年生まれ、東京理科大学理学部数学科卒業。大手電機メーカーへ就職しシステムエンジニアとして働くが数年で退職。国際情報科学芸術アカデミーでDSPを学び、2006年デザインファームRhizomatiksを設立。2015年よりR&G[研究開発]要素の強いRhaizomatiks Reseaechを主催。プログラミングとインタラクションデザインを駆使して様々なジャンルのアーティストとコラボレーションプロジェクトを行う。

●テクノロジーとヒューマニティー
音楽信号を変換して低周波刺激で顔の筋肉を制御するという実験の様子をYoutubeで配信したことをきっかけに彼は世界中から注目されることとなる。それ以降にもテクノロジーを駆使して人の歯を光らせるparty in the mouth、顔面プロジェクションマッピングface tracking happyなど人間を中心をした Body Hackを試みている。テクノロジーとアートの垣根を越え、今まで誰もやったことがないような取り組みをするためには研究開発が重要になる。開発のための研究とはその物の歴史について学ぶことから始まる。
 彼は「Pefume JPNツアー」でのライブ演出のために徹底的に映像とダンスの歴史を研究したそうだ。実際にその研究された内容がNEVERとGoogle Docsに公開されている。その研究からこれまでより新しいことを見つけ出し演出へ落とし込んでいたのだ。

●今までとこれからの真鍋大度
彼から感じたことは創ることへの止む無き好奇心。自分が面白いと思ったものを追いかけひたすらに作りまくる。人は彼が生み出した「新しいもの」に感動を覚え、その価値を付けていくが、等の本人は自身がスターと呼ばれていることに全く興味がないのだろう。まるで夢中になって玩具で遊ぶ少年のようなキラキラとした柔らかい印象を受けた。そうしてさらさらと歴史を塗り替えていくものだから周りの大人にとっては彼は天才であり、ある意味脅威な存在なのかもしれない。

●斬新なダンス講演「border」
border
インスタレーションの空間内で観客は動きをプログラムで完全制御されたパーソナルモビリティ[WHILL]に乗り、ヘッドセット型のVRディスプレイを装着する。1ステージ10人ずつの体験となっており、WHILLに座れない観客はエリアの外側からステージの外を自由に歩きまわって鑑賞することも可能。ダンスが始まるとディスプレイ上にはバーチャルのステージ空間とそれに重ね合わせられるAR:拡張現実と装着したカメラ映像による実写風景が映し出され、各自が動き回りながらそれぞれの視点で鑑賞。ダンサーとWHILLが空間を共有しながらダンスを展開し、観客はリアルとバーチャルの区別がつかなくなり深い陶酔感を感じることになる。
 今回使用されているソフトウェアはOculus Rift DK2をベースに新規開発されたもので、従来のHMDは机の前などの狭いエリアのトラッキングしかできない。そのため反射マーカーを取り付け、モーションキャプチャーシステムを統合することで広範囲(約8m×14m)をカバーできるシステムを開発。そしてPlayStatison EyeのレンズをAR用に広角レンズに交換しカスタマイズしたものを2つ使用してスレテオカメラを構成した。更に体験者のVR酔いを避け、ステレオカメラの遅延を感じさせない工夫としてカメラの遅延を計測、その間発生した姿勢の移動量の分だけカメラの映像の描画平面を逆方向にずらすという処理をしている。たとえCGのみのシーンにおいても現実の加速度を無視したCG空間内のみでの移動は行わないようにした。

*Prix Art Electronic
 オーストラリアで開催される世界的なメディアアートのコンペディション
*メディアアート 最先端のテクノロジーを使った芸術
*DPS ディマンドサイドプラットフォーム 
 広告主の広告効果最適化を目指すプラットフォーム。
 広告枠の買い付けや配信、クリエイティブ分析までを自動的に行い、最適化する。
*インタラクション
 Inter相互に・action作用 ふたつ以上の存在が違いの影響及ぼしあうこと

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