すこし前から私のお気に入りのスポットとして、
パスザバトンがある。
このお店は名前の通り、人から人へバトンを渡すように、
ものをリサイクルしていくというコンセプトのショップだ。
ただし、単なるリサイクルショップに留まっているわけではない。
パズザバトンは2009年、丸の内ブリックスクエアでスタートした。
「やりたいことと、ビジネスと」を形にした現代型リサイクルショップは、翌年には表参道ヒルズに2号店を構え、現在まで新しい価値を提案し続けている。
ディレクションを行う遠山正道氏は、みなさんご存知のSoup Stock Tokyoの業態開発者でもある。
Soup Stock Tokyoから14年、今度はリサイクルによる生活価値の拡充を目指した遠山正道氏が考える、マーケティングにも、ITにも、資本主義にもよらない、“やりたいこと”を主語にしたビジネスモデルのあり方を目指しているそうだ。
実際に私が表参道ヒルズの店舗に訪れて感じたことは、
まずおもしろいなということであった。
そこで私は予想外にたくさんの買い物をしてしまったが、
なかでもパスザバトンならではの商品と思ったものを紹介する。
このバッグは、プリント部分の品質が‘patagonia’の製品基準をクリアできず販売されなかった商品を、
パスザバトンのアイデアとセンスでリメイクされ、新たな商品として生まれ変わらせたものである。
‘patagonia’のバッグのプリントがベタベタしてしまっていたのに洗いをかけ、
パスザバトンのオリジナルのプリントがされたポケットが加わった。
もうひとつ紹介すると、
「リトルトリップ」をテーマにしたミナペルホネンデザインのテーブルウェア。
鉄粉と言われるわずかな黒点や釉薬のムラなどがある本来なら廃棄されるはずだったB品の業務用食器を、リメイクしたオリジナルのテーブルウェアだ。
今あげた2点をはじめ、パスザバトンに並んでいるものは、
廃棄されるような商品に「ひと手間」を加えることによって、
オリジナリティーを生み出し、ブランド性まで付け加えられている。
また、店内にはギャラリーも併設されている。
商品と同じように一度は役目を終えたものを使って、
様々なアーティストが作品を発表しているのを手軽に見れるのがこの店を訪れるもうひとつの楽しみでもある。
一見捨ててしまわなければいけないものをリライトして、
新しい商品としてブランディングしていくパスザバトン。
しっかりしたコンセプトのもとに商品が展開されているからこそ、
単なるリサイクル品の寄せ集めにならないのだと思う。
大阪の店舗がなくなってしまったのが残念だが、
東京を訪れた際にはぜひ足を運んでもらいたいmyスポットである。