G15018 ご当地萌キャラクター

ここ数年たくさんのご当地にちなんだキャラクターが登場している。ゆるキャラが注目を集めているが、「萌」に特化したご当地キャラクターもかなりの数存在しているのだ。京都市営地下鉄のキャラクター、太秦萌(うずまさ もえ)に着目したいと思う。太秦萌は京都市営地下鉄の利用促進PRプロジェクト「地下鉄に乗るっ」の公認応援キャラクターだ。京都市バスにも登場している。 キャラクター名の由来は地下鉄東西線・太秦天神川駅からで、京都市内の高校に通う高校2年生、天然な部分もあるが皆から愛される性格というキャラクター設定だ。2014年にはアニメCMが制作、発表され、2015年にはライトノベルが刊行されるなど、注目を集めている。

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京都市では、地下鉄を京都の発展のために積極的に活用し、将来にわたって安定的に運営していくことを目指し、2010年に「京都市地下鉄5万人増客推進本部」を設置した。そして、若手職員にもアイデアを出してもらいたいという思いから「若手職員増客チーム」を立ち上げた。当時、世間で、特に鉄道ファンの間で「萌え」というカテゴリーがしっかりと形作られていたこともあり、若手職員たちは「燃え燃えチャレンジ班」というチームを作って、5万人増客に向けたシンボルとなるような、親しみのあるキャラクターを自ら生み出そうと考えたのだ。そこで誕生したのが太秦萌である。
当初は低予算だったことから交通局の若手職員の家族がデザインしていたが、2013年11月にイラストレーターの賀茂川の手によってリメイクされ、垢抜けたキャラクターデザインに生まれ変わった。
近年、ご当地萌えキャラは数多く登場している。可愛い女の子が各地にちなんだコスチュームを身につけたイラストは、アニメ、ゲームなどが好きな「萌」に馴染みがある層からは受け入れられやすい。だが、地域を代表するキャラクターとなると全年齢の人達の目に触れるため、あまりに萌えを前面に押し出しすぎたキャラクターデザインだと批判を受ける例が少なくない。実際に、三重県志摩市が観光PRのため公認した海女のキャラクター「碧志摩メグ」は、「性的な部分を過剰に強調していて不愉快だ」という市民からの公認撤回の要請があった為、公認を撤回するという例があった。最近色々な都道府県で行われている「萌」で町おこしをする「萌えおこし」だが、キャラクター数の割にあまり大きな話題を呼ばないのはこういうった理由が原因のひとつだろう。その点、太秦萌は比較的幅広い層に受け入れられることを考えた絵柄、キャラクターデザインになっている。
2016年には新作アニメ制作のプロジェクトを発足し、クラウドファンディングで制作資金を募ったところ開始2時間で目標額の100万円を達成し、最終的には1000万円が集まった。

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当初は赤字経営の為お金をかけないPR、として生まれた太秦萌だが着々と進化を遂げ、ご当地キャラクターとして多くの人に受け入れられたのだ。太宰萌はご当地萌えキャラの成功したモデルケースと言える。今後もこのような形でうまく二次元のキャラクターが活用されれば今よりもっと大きな経済効果に繋がるだろう。




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